任意売却 債権者とどんな交渉をしているか?

任意売却になった場合、販売価格や諸条件の決定者は物件の所有者でなく債権者になります。
その為、すべての交渉事は債権者と行います。

 

任意売却は債権者と多くの交渉がある

 

任意売却においてのメイン業務は、債権者(住宅ローン借入先)との交渉になります。
この交渉をまとめる事ができて、初めて任意売却での販売活動を行うことができます

しかし債権者との交渉は決して簡単ではなく、債権者毎に交渉内容や条件が異なるためノウハウや経験が必要になります。特に債権者が複数いる場合は難易度は一層上がります。

任意売却業者の業務は債権者との交渉がすべてといっても過言ではありません。

 

債権者と行う交渉内容

 

■債権者と行う交渉内容

 

①物件の販売価格と販売期間

②売却金額の配分

①物件の販売価格と販売期間

任意売却で販売できる期間は債権者によって異なりますが、概ね3ヵ月~6ヵ月間になります。

この限られた期間で売り切る為には、販売する価格設定が重要になります。

販売価格は、近隣の相場や、物件の状況などを踏まえて任意売却業者が提案しますが、高すぎれば売れず、安すぎれば債権者が認めません

適切な価格を設定する事ができれば、その後の販売活動がしやすくなるので、価格設定の交渉は非常に重要になります。

 

②売却金額の配分

 

売却価格が決まったら、その金額の配分交渉をします。

不動産の売却活動をするためには、必ず必要となる経費があります。そのため、売却した金額すべてが金融機関への返済に充てられるわけではありません。

この経費には、必要経費として認められているものと、別途交渉が必要なものがあります。


●必要経費として認められているもの

・抵当権抹消費用(司法書士にかかる費用)
・仲介手数料(不動産会社にかかる費用)
・管理費の滞納金(高額の場合は要交渉)
・後順位抵当権者への抵当権抹消費用(債権者が複数いる場合)


●交渉が必要なもの

必要経費として認められているもの以外すべて

例えば
・売主の引越代
・現状のままでは販売困難な物件の現状回復費用
・後順位抵当権者への抵当権抹消費用(交渉が難航した場合)
など
 

金融機関としては、当然できるだけ多くの金額を回収したいので、経費はできるだけ抑えたいと考えます。

しかし必要経費以外で個別で必要な費用が出る場合で、これらの費用を経費として認められないと契約や引き渡しができない状況の場合は、経費として認められるよう交渉する必要があります。

 

配分交渉について、事例でご説明します。

(例)配分交渉

A銀行の住宅ローン残債:2,000万円
任意売却での売却価格  :1,500万円
必要経費(抵当権抹消費用、仲介手数料等):100万円

とした場合、A銀行の配分は売却価格から必要経費を引いた1,400万円となります。

ここまでは、通常配分になります。

個別交渉が必要なケースの一例としては、売主に引越し費用がない場合です。

この場合は、引越し費用を経費として認めてもらえないと引越しできず不動産売買に支障がでる場合は、引越し費用を経費として認めてもらえるよう交渉が必要になります。

交渉により引越し代として30万円が経費として認めれた場合は、A銀行の配分は1,370万円になります。

 

最後に重要なことは、任意売却後に残った残債は、免除されるのではなく売主の返済義務は残るということです。

そして経費は金融機関が一時的に立て替えているだけで、経費として認められた金額含めて残債の返済義務は売主に残ります。

上記事例のケースでは、A銀行の配分が1,370万円とした場合、本来2,000万円の残債があるので、差額630万円が任意売却後の残債として売主の返済義務となります。

 

しかしご安心下さい。

任売却後の残債の返済に関しては、通常は現実的に返済可能な金額設定になるので、毎月の返済は数千円~3万円/月程度になることが一般的です。

また、どうしても返済が難しい場合は債務整理などの手段もありますので、依頼した業者や弁護士などに相談して下さい。


<交渉での重要なポイント>

・期限内に売れる販売価格の設定

・債権者が認める価格設定と配分

・売主の負担が少しでも軽くなるような価格設定と配分