任意売却の失敗事例から学ぶ任意売却を成功させるための対策を解説
任意売却は通常の不動産売却とは異なり債権者(住宅ローンの借入先)の同意が必要であり、また任意売却できる期間も限られているため必ずしも成功するものではなく失敗してしまう場合もあります。
任意売却が失敗してしまうと本来望んでいなかった競売に移行してしまいます。
ここでは、いくつかの任意売却の失敗事例を紹介し、そこから学ぶことができる任意売却を成功させるための対策を解説していきます。
目次
失敗事例③ 建ぺい率、容積率オーバーで住宅ローンが利用できず
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任意売却も通常の不動産売却と同様に買主が見つからなければ売却することはできません。特に任意売却の場合は期限が限られておりまた債権者との調整も必要となるため慎重かつ至急に対応することが望まれます。
この記事では、任意売却の失敗事例から学ぶことができる任意売却を成功させるための対策について解説していますので、ぜひ参考にしてください。
失敗事例① 共同名義者の元妻と連絡が取れず
このケースでは、共同名義者の元妻と連絡が取れなくなり任意売却ができませんでした。
自宅が夫婦で共同名義の場合、任意売却するためには二人の同意が必要になります。仮に離婚後であっても同様です。
二人の話し合いの結果、先に離婚してから任意売却することを選択しました。しかし、離婚後に元妻と連絡が取れなくなり任意売却できず。当初は事件や事故を心配しましたが、元夫への嫌がらせであることが分かりました。
対策:
離婚に伴う任意売却の場合は必ず離婚前に任意売却しましょう。少しでも早く離婚したいと思っても、住宅ローンの問題を先伸ばしにすると、このようなトラブルになりかねませんので、任意売却は離婚前に解決することをお勧めします。
失敗事例② 債権者が任意売却に応じない
このケースでは、抵当権設定が複数あり後位の抵当権者が任意売却に応じなかったことで任意売却ができませんでした。
抵当権が複数ある場合は、すべての抵当権者から任意売却の同意をとる必要がありますが、1つでも拒否された場合は任意売却することができません。
複数の抵当権が設定されている場合は、不動産の売却費用は先に抵当権が設定されている抵当権者に優先的に弁済され残りを後位の抵当権者に弁済されることになりますが、今回のケースでは1番目の抵当権者の残債額が売却費用より多かったため、後位の抵当権者には弁済できないことが分かりました。
このようなケースで仮に競売になった場合は後位の抵当権者は1円も入ってこないので、通常このようなケースでは、ハンコ代(抵当権を抹消するための費用)として30万円~10万円程度の費用を売却費用から支払うことで抵当権を抹消してもらうように交渉していきます。少しでもお金が返ってくるので任意売却に応じて下さいということです。
しかし本件においては、相談者は後位の債権者からの催促の電話を無視していたが何度もかかってきたので、ある時電話で罵声を浴びせてしまいました。この結果、債権者との関係が悪化し、この債権者は最後まで任意売却に応じてくれませんでした。
対策:
債権者からの電話などはできる限り誠意をもって対応することが望まれます。しかし精神的にストレスも溜まり電話に出たくないということも理解できますので、住宅ローンが払えないと思ったら、すぐにでも早く任意売却の業者や弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。
失敗事例③ 建ぺい率、容積率オーバーで住宅ローンが利用できず
このケースでは、建物が建ぺい率、容積率オーバーしている建築基準法に違反している違反建築物であったため、購入検討者が住宅ローンを利用できずに任意売却できませんでした。
ご相談を受けてから物件調査したところ、増築登記されていない増築部分があり増築部分を含めると建物の建ぺい率、容積率がオーバーしている建築基準法に違反している建物であることが判明しました。
違反建築物になると、ほとんどの金融機関で住宅ローンを利用することができないため、現金購入できる人に限定されてしまいます。
相談者に確認したところ、10年程前に業者に依頼して増築をしたが、建ぺい率、容積率がオーバーしているということは知りませんでした。その業者は違反建築物になることを知っていながら増築を行い且つ増築の登記もしなかったと考えられますが、すでに潰れていたため事実確認はできませんでした。
住宅ローンが利用できないということは、購入検討者にとってハードルが高く結果として任意売却できずに競売に移行。ただし本件に関しては、債権者が競売手続き中にも並行して任意売却での売却に応じてくれたため競売との同時並行でしたが、現金一括できる買取業者に任意売却することができました。
対策:
ご自身の知らずに違法建築となってしまったため、対策しようがありませんが、任意売却に関しては少しでも早く相談することで価格を下げる、業者への営業を強化するなどの対策はできました。
失敗事例④ 物件の不具合を隠していたため買主が見つからず
このケースでは、敷地内にあった浄化槽の浸透が悪く定期的に浄化槽から水が溢れることが契約直前に発覚して契約できず。任意売却の期間も迫っており新規の買主も見つからずに任意売却できませんでした。
相談者は、任意売却は瑕疵担保免責できるので、言わなくても問題ないと思っていました。しかし瑕疵とは見えない欠陥のことであり、このケースは明らかに不具合を理解して悪意をもって隠していたため瑕疵の範囲を超えています。
相談者は契約直前で黙っていることはまずいと考え直前で申告しましたが、黙って契約した場合は契約違反どころか詐欺になることも考えられたので最悪のケースは回避できました。
しかしこのような不具合のある物件であり、任意売却できる期間も迫っていたため任意売却期間中に買主を見つけることができませんでした。
対策:
不動産に何かしらの問題がある場合は、問題の大小に限らず必ず申告しましょう。このケースでは、先にこの不具合を把握できていれば浄化槽を変えるなり、工事代を見越して最初の売却価格を下げるなどの対策をすることができました。
任意売却は必ずしも成功するものではなく失敗する可能性もありますが、きちんと対応していれば失敗を回避できていたケールも多くあります。
もし住宅ローンが払えないと思ったら少しでも早く専門家に相談してみましょう。それが任意売却を成功させるための対策になりますので。
以上です。
最後に、この記事を書いたあらたホームのご紹介です。
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あらたホーム 新井 透浩
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